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インプラントとは?仕組み・費用・期間・メリットとデメリットを結論から解説
結論
インプラントとは、歯を失った部分のあごの骨に人工の歯根(チタンなど)を埋め込み、その上に人工の歯を固定する治療です。
- よく噛める:骨に固定するため、入れ歯よりも自分の歯に近い感覚で噛めます。
- まわりの歯を削らない:ブリッジのように隣の健康な歯を削る必要がありません。
- 手術と費用が必要:外科手術をともない、公的医療保険は使えない自由診療です。1本あたり30万〜50万円程度が目安です。
- 期間は3か月〜1年程度:骨とインプラントがくっつくのを待つため、治療には数か月かかります。
歯をすべて、またはほとんど失っている場合は、4本のインプラントで片あご全体を支えるオールオン4という方法もあります。
インプラントの仕組み
- 人工歯根(フィクスチャー):あごの骨に埋め込むねじ状の部品です。チタンやチタン合金でできていて、骨としっかり結合する性質があります。
- 土台(アバットメント):人工歯根と人工歯をつなぐ部品です。
- 人工歯(上部構造):見た目と噛む機能を担う部分です。セラミックやジルコニアなど、素材によって見た目と費用が変わります。
チタンが骨と直接くっつく現象(オッセオインテグレーション)が、インプラントがしっかり固定される理由です。この結合を待つ期間があるため、治療には数か月かかります。
入れ歯・ブリッジとの違い
| インプラント | ブリッジ | 部分入れ歯 | |
|---|---|---|---|
| 方法 | 骨に人工歯根を埋めて歯を固定 | 両隣の歯を削り、橋渡しの歯を固定 | 金具で残っている歯にかけて固定 |
| 噛む力 | 自分の歯に近い | 比較的よく噛める | 弱くなりやすい |
| まわりの歯への負担 | なし | 両隣の歯を削る | 金具をかける歯に負担 |
| 手術 | 必要 | 不要 | 不要 |
| 取り外し | 不要(固定式) | 不要(固定式) | 毎日取り外して手入れ |
| 保険 | 自由診療 | 保険診療も選べる | 保険診療も選べる |
| 治療期間 | 3か月〜1年程度 | 数週間程度 | 数週間程度 |
一般的な比較です。どの方法が合うかは、お口の状態と歯科医師の診断によって決まります。
メリット・デメリット
メリット
- 骨に固定されるため、硬いものもしっかり噛みやすい
- 見た目が自然で、金具が見えない
- 両隣の健康な歯を削らずに済む
- 噛む力が骨に伝わり、骨がやせにくいとされる
- 取り外しの手間がなく、違和感が少ない
デメリット
- 外科手術が必要で、腫れや痛みが出ることがある
- 自由診療のため費用が高い
- 治療が終わるまで数か月かかる
- 持病や骨の状態によっては治療できないことがある
- 治療後も定期的なメンテナンスが欠かせない
費用の目安と医療費控除
インプラントは、先天的な病気などごく一部の例外を除き、公的医療保険が使えない自由診療です。費用は医院が決めていて、次のような項目の合計になります。
- 検査・診断料(CT撮影を含む)
- 手術料(人工歯根の埋入)
- 土台と人工歯の費用(素材によって変わります)
- 骨が足りない場合の骨造成(骨を増やす処置)の費用
- 静脈内鎮静などの麻酔費用、治療後のメンテナンス費用
失った歯の本数が多いほど費用は大きくなります。何本も失っている場合は、少ない本数で全体を支える方法(オールオン4など)のほうが、総額や手術の負担を抑えられることもあります。
医療費控除:治療を目的としたインプラントの費用は、一般的に医療費控除の対象です。1年間(1月〜12月)に支払った医療費が10万円(所得が200万円未満の方は所得の5%)を超えた部分が、所得から控除されます。デンタルローンで支払った場合も対象です。詳しくは税務署や税理士にご確認ください。
治療の流れと期間
- 1
カウンセリング・精密検査
お口の状態を確認し、CTで骨の量や神経の位置を立体的に調べて治療計画を立てます。
- 2
一次手術(人工歯根の埋入)
局所麻酔をして、あごの骨に人工歯根を埋め込みます。1本あたりの手術時間は30分〜1時間程度が目安です。
- 3
治癒期間
骨と人工歯根がしっかり結合するのを待ちます。下あごで2〜3か月、上あごで3〜6か月程度が一般的です。
- 4
土台の装着(二次手術)
歯ぐきを開いて土台を取り付けます。方法によっては一次手術と同時に行います。
- 5
人工歯の装着
型を取り、色や形を合わせた人工歯を取り付けて治療が完了します。
- 6
定期メンテナンス
3〜6か月ごとに通院し、クリーニングと噛み合わせの確認を受けます。
向いている方・慎重な判断が必要な方
向いている方
- 入れ歯の違和感やずれに悩んでいる方
- 健康な歯を削りたくない方
- しっかり噛める、見た目の自然な歯を希望する方
- 治療後も定期的に通院できる方
慎重な判断が必要な方
- 糖尿病などの持病が十分にコントロールされていない方
- 骨粗しょう症の薬(骨吸収抑制薬)を使っている方
- 喫煙習慣がある方
- 歯周病が治療されていない方
- あごの骨の成長が終わっていない方
寿命と長持ちさせるコツ
インプラントの「寿命」は、本人のケアと定期メンテナンスに大きく左右されます。多くの研究で、治療から10年後もおよそ9割のインプラントが機能していると報告されています。
長持ちさせるためにいちばん大切なのは、インプラント周囲炎(歯周病に似た炎症)を防ぐことです。毎日の歯みがきに加えて、歯間ブラシやフロスを使い、医院での定期的なクリーニングを欠かさないようにしましょう。喫煙はインプラント周囲炎のリスクを高めます。
リスク・副作用
- 手術後に、痛み・腫れ・内出血・出血が出ることがあります。
- まれに、下あごの神経の損傷によるしびれや、上あごの上顎洞(副鼻腔)のトラブルが起こることがあります。
- 骨と人工歯根が結合しない場合や、インプラント周囲炎が進んだ場合は、撤去や再治療が必要になります。
- 人工歯が欠けたり、ねじがゆるんだりすることがあります。
- 持病・服薬・喫煙の状況によっては、治療ができない、または結果が安定しにくいことがあります。
治療期間・費用・リスクには個人差があります。気になる点は、治療を受ける前に担当の歯科医師へ確認してください。
歯を多く失っている場合はオールオン4も
歯をすべて、またはほとんど失っている場合に、1本ずつインプラントを入れると本数が多くなり、手術の負担と費用が大きくなります。そこで行われるのが、片あごに4本のインプラントを埋め込み、つながった人工歯で全体を支えるオールオン4です。条件が整えば、手術当日に固定式の仮歯を入れられます。
よくある質問
Qインプラントとは何ですか?
歯を失った部分のあごの骨に、チタンなどでできた人工の歯根を埋め込み、その上に人工の歯を固定する治療です。入れ歯やブリッジと並ぶ、失った歯を補う方法のひとつです。
Qインプラントの費用は1本いくらですか?
公的医療保険が使えない自由診療のため医院ごとに異なりますが、1本あたり30万〜50万円程度が目安です。検査・手術・人工歯の素材・骨造成の有無などで総額が変わります。
Qインプラントの治療期間はどのくらいですか?
精密検査から最終的な人工歯が入るまで、3か月〜1年程度が目安です。骨とインプラントが結合するのを待つ期間が、下あごで2〜3か月、上あごで3〜6か月程度かかります。
Qインプラントの手術は痛いですか?
手術は局所麻酔で行うため、手術中の痛みはほとんど感じないのが一般的です。術後に痛みや腫れが出ることがありますが、多くは痛み止めで落ち着きます。不安が強い方は、静脈内鎮静に対応した医院を選ぶ方法もあります。
Qインプラントは何年もちますか?
適切なセルフケアと定期メンテナンスを続ければ、10年以上使えるケースが多いと報告されています。インプラント周囲炎を防ぐことが長持ちの鍵です。
Qインプラントは保険が使えますか?
一般的なインプラント治療は保険適用外(自由診療)です。病気や事故で広い範囲のあごの骨を失った場合など、ごく一部の条件に限って保険が適用されることがあります。
Q歯が全部ない場合もインプラントにできますか?
できます。1本ずつ入れると本数が多くなるため、片あごに4本のインプラントで全体を支えるオールオン4という方法がよく選ばれます。